特集2 保健師の身近な危機にどう対応するか
保健師の身近な危機とは―支援者が燃え尽きないために
佐川 きよみ
1
1葛飾区保健所保健予防課
pp.600-603
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100741
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はじめに
保健師は,あらゆる健康レベルの人々に,健康問題を改善するための一方法として地区活動を実施している。問題の解決に向け,本人またはその家族や周囲の人への援助として,個別的対応(家庭訪問・面接・電話相談など)や集団的対応(グループ活動)など,さまざまな手法を組み合わせることにより援助活動を展開しているのである。
近年,社会環境や住民ニーズの変化により,社会的な制度が変革しており,保健師の職務である保健業務においても,それに係る法改正が行われ,行政の役割分担が見直されている。
このようななかで,相談の内容も多岐にわたり,複雑困難な内容が多くなっており,地域支援体制の1つである相談場面において,保健師が危機的状況に遭遇したり,暴力被害を受けるという事態が起きている。危機的状況は,当事者が受ける一次受傷だけではなく,同僚などの周囲や組織への二次受傷として影響を与えることが知られている。
このような現状においては,保健師が援助技術を向上させるだけではなく,緊急時対応などにおける援助者側の安全に配慮した体制の構築が必要とされる。
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