連載 フィールドワーク往復絵手紙・10
大学巡礼
星野 晋
1
1山口大学医学部・文化人類学(医療人類学)
pp.1014-1017
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100638
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ふたたび2月に訪れた南インドの話である。最初に行った門前町ティルパティには,スリ・ヴァンカテシュワラ大学(以下S.V.大学)という大学がある。ヴィシュヌ神の化身,スリ・ヴァンカテシュワラを主神とする寺院をめざして集まってくる巡礼者たちでいつもにぎわっているティルパティならではの大学名である。でも日本では,天照大神大学のような神様の名前をつけた大学はみあたらないことを思うと,ちょっと不思議である。
さて,私はこれでも研究者のはしくれである。ティルパティでの2日間は大学「巡礼」と決めていた。今回案内してくれた友人ムーニーさんの義理の父上が,かつてS.V.大学の教授をされていたので,口をきいていただいた。将来,この地方でフィールドワークを行う機会があるかもしれない。そんなときのために,人間関係を作っておきたかったのである。
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