鏡下咡語
世界難聴予防計画Global Ear Care巡礼—コーラン—カルバン—パゴダ
鈴木 淳一
1
1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.494-495
発行日 1991年6月20日
Published Date 1991/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900303
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トルコ・イスタンブールは,西洋史ではよく知られているが,訪れたことのある人は意外に少ないようである。黒海と地中海を結ぶBosphorus海峡とMarmara海が,アジアとヨーロッパを分けをている。ビザンチウム・コンスタンチノープル,そしてイスタンブールという名前の変遷は,地理的条件を反映した歴史の変遷をそのままに物語っている。イスタンブールは,とくに旧市街は,イスラム教のモスク,それにコーランの祈り声で満ち溢れている。
この地で,1993年5月第15回世界耳鼻咽喉科会議が開催されるので,その2年前に恒例のIFOS(国際耳鼻咽喉科学会連合)の準備会議がもたれた。歴史的地理的景勝の地イスタンブールは,世界会議開催にまことにふさわしいのであるが,多くの参加者を常時会議場にひきつけることが出来るかどうか,これが学会組織委員会にとって最大の関心事と思われる。世界耳鼻咽喉科会議の会長はOhan Sunar教授,小柄で温厚,今年の日耳鼻総会に招かれているので,日耳鼻会員とおなじみになることであろう。日本から多くの参加者が学問的にも経済的にも求められるのは最近の国際会議の常であるが,トルコは,特別に親日的でもあり,2年先きの会議を彼我ともに楽しみにしていてよいであろう。
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