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Medical Essay
失語症巡礼—その1 ポール・ブローカとパリ
Pelerinage d'aphasiologie. Chap. 1. Paul Broca et Paris
岩田 誠
1
Makoto IWATA
1
1東京大学医学部脳研究施設神経内科
1Departrment of Neurology, Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.188-191
発行日 1975年2月10日
Published Date 1975/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903703
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失語症の発見とその研究は,19世紀のフランスで生まれた。革命から反動へ,そしてまた新たなる革命へと大きく揺れ動くフランスの複雑な国家情勢のうちで,学問の伝統がとぎれることなく続けられたということは,実に驚くべきことである。そして,一度精神の自由を身をもって経験したフランスの若い医学者たちは,従来の古い考え方にとらわれることなく,続々と医学史に残る大発見をなしとげていった。失語症の発見,そして大脳における機能局在論の展開も,このような流れの中でなしとげられていったものであり,この間の事情については,「失語症は左大脳半球に損傷がある」という破天荒な発見をめぐる歴史を扱った,杉下・豊倉両氏の最近の論文(科学,44:352-364,1974)に詳述されている通りである。
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