調査報告
ハウス園芸農業労働者への健康支援―T県A町における健康実態調査の分析より
大井 美紀
1
,
今津 理江
2
,
山元 千芙美
2
1高知大学医学部看護学科地域看護学講座
2高知大学医学部付属病院
pp.888-894
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100574
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■要旨
本研究は,施設園芸農業者を対象として,農業者に顕著な健康障害や健康ニーズを明らかにし,農業者の健康増進行動を促す保健師活動のための基礎的資料を得ることを目的とする。
農業者の生活実態を総合的に把握するために,農繁期のハウスみかんの栽培に従事する農業労働者40名(タイムスタディの対象者は女性2名)を対象とし,質問紙を用いた生活実態調査およびハウス内の作業環境調査を実施した。
その結果,ハウス農業に従事する中高齢者の健康(QOL)にとって,作業環境や作業内容・作業姿勢,ライフスタイルの影響が大きいことを確認した。農業労働に伴う健康障害への対処法としては,農業者独自の工夫がみられたものの,なかには根拠のはっきりしていないものや,逆効果のものもみられ,個別,集団両面からの正しい情報提供の場が必要であることが示唆された。また,支援する保健師には,作業関連疾患に対する知識や技術も必要であることが確認できた。
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