特別レポート
岐阜県川島町母子健康センターを通してみた母子健康センターの活動の実態調査
館 正知
1
,
木村 英道
1
1岐阜大学医学部公衆衛生学
pp.32-38
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203466
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すべて,児童がすこやかに生まれ,かつ,育てられることが児童福祉の基本理念であり,それがまた母子保健活動の究極の目的である.このためには母と子について,妊娠,分娩,産褥および育児を一貫する適切な指導と援助とが行なわれなければならないし,また,それに必要な施設が整備されなければならない.
従来,わが国では母子の保健衛生に関する指導は主として保健所が中心になって行なわれてきた.わが国の保健所は母子保健の活動のみならず,その他多くの活動をすることを目的として,またおよそ人口10万人程度を対象として設立されている.したがって母子保健活動のみを,しかも保健所管内のすみずみにまで及ぶことを期待することは困難である.例えば乳児の健康相談についてみても,保健所ではせいぜい1週2回の相談日しかもうけられないし,それを利用するのは保健所にごく近い地域の人に限られている.出張相談も1カ月1〜2回程度しか行なわれないのが実情である.
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