連載 フィールドワーク往復絵手紙・9
サナア市の自動車排気ガス問題
伊達 潤子
1
1山口大学大学院医学研究科(博士課程)
pp.896-899
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100575
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「アラブの源流」であり「アラブの後発開発途上国」でもあるイエメンにも,グローバル化の波がいやおうなく押し寄せている。携帯電話が,衛星放送が,インターネットカフェが,そして自動車が,どんどん増えてきている。テレビや冷蔵庫は電気がないと動かないが,携帯電話や自動車は,社会インフラの整っていない山岳地帯でもその威力を発揮している。ロバで移動できる距離がモノや情報の流通限界である,といった状況は昔のものになりつつあるのだ(写真1)。
イエメンの首都,サナアでは,とくに自動車の増加が激しい。サナアの1991年と2001年を比較すると,自家用車登録数は2万5090台から13万4223台,タクシーは1万2066台から4万8951台,トラックは5万1991台から14万4807台に増えている(参考資料:イエメン政府,1991年と2001年,Statistical Year-Book)。
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