新カリキュラム講座 一般教養課目・3
哲学編IV
高橋 憲一
1
1上智大学文学部
pp.42-45
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908889
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これまでのところ,知識学の中心となる真理の問題に過分な紙幅を与えたように見えるであろうが,実際にはそうでない。哲学が学であり,真なる知識の体系であるということを学生に強く印象づけることは,教育的にきわめて大きな意義があるからである。もちろん,より以上に大切なことは,何について知るか,あるいは何について真の知識をもつかである。これに今いちおう答えておくならば,それは世界と人間についての知識である。しかもそれは前に再三述べたとおり,できる限り価値の高い生存の有り方を見究めるための前提となるような知識でなければならない。
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