一つの怠惰な感想

はじめに

　「看護教育の理念を求めて」という課題を押しつけられて，何といっても私の柄に合わないことだと恐縮，狼狽しててい重に断わったのだけれども，ついに編輯子の許すところとならなかった。自分のところで看護学院を持ちながらまことに申訳ない話だけれども，看護教育の理念について正面からジックリと考えこんだことが今までなかったのである。こういう無責任な人間が学院をあずかっているから看護教育の理念がいつまでもアイマイなのだという一つの例証として読んでいただきたい。