誌上フォーラム 保健婦は何をしている—3ヵ年にわたる国保駐在保健婦の活動をめぐって
わたしの感想
戸井田 元永
1
1行田市役所国保課
pp.20-21
発行日 1964年7月10日
Published Date 1964/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203146
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医師の代用品に見られる保健婦
健康で明るい村造りを目標に,小山村に駐在保健婦として活動して来られた3カ年の貴重な活動記録ですが,保健婦本来の任務はあらためていうまでもなく,疾病をなくし明るい健康な家庭生活を築きあげるということにあると思いますが,往々にしてその仕事は,疾病の早期発見のための検診事業や療養指導といったことに追われて,そのほうに重点がかかるというのが現実の姿ではないかと思います.
とくにI地区のようなへき地の無医村にあっては,本人の主観的な意図はどうあれ,そのような傾向におちいりがちであると思います.端的にいえば医師の代用品,あるいは,知識の切り売り,押し売りということになりがちだと思います.地区民が保健婦に直接的にのぞむのも,現在の疾病の苦しさからのがれるための治療などに対するものぐさで,疾病の予防や,健康増進ということとはほど遠いものがあったのではないかと思います.
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