講座 日本の看護の歴史・13
近代・5
医療社会化の中の看護 [1]公衆衛生看護活動/[2]セツルメントの活動/[3]産児制限の運動/[4]無産者診療所の活動
遠藤 恵美子
1
,
加藤 文三
1
,
上坂 良子
1
,
坂本 玄子
1
,
高橋 政子
1
,
渡部 喜美子
1
1看護歴史研究会
pp.498-505
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908542
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大正期には資本主義発達の中で,農村では地主と小作人との貧富の差が進み,都市では労働者の急増から膨大な下層社会層ができ,健康状態が悪化した.貧困と疾病との悪循環の中で医療費の重圧が社会問題となり,診療費軽減や医療救済,健康保険制度創設の要求がおこり,政府に保健衛生調査会が設置された.いわゆる「医療の社会化」の動向である.
大正デモクラシーの運動の広がり,世界的な疾病予防の衛生思想,児童愛護思潮などの影響を受け,日本の公衆衛生看護活動は,子どもの健康保護を中心とした社会事業的色彩の色濃い組織活動として盛んになっていく.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.