特集 看護理論の構造式化・2
看護理論の構造式化をどのように受けとめているか—看護教育の中で使いうる可能性
近田 敬子
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.615-620
発行日 1986年9月25日
Published Date 1986/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908276
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はじめに
最近,諸文献に触れたり研修会に参加するたびに,あることへの動機づけを強く受けている自分に気づく.それは自らの興味に従って文献をあさり,研修に出向くからであるが,一方では,否応なしに押し寄せる看護の学問化に向けての波を感ぜざるをえない.
我国の看護教育は米国に比べて,30年以上の遅れをとっていると聞かされているが,ちなみに,1985年の資料1,2)に基づいて,米国の看護教育の水準を大学課程の数でみてみると,2年課程151,学士課程613,修士課程160,博士課程30等,日本と比べものにならない数に至っている.看護の学問化に向けて,教育・研究が行われている機関としての修士課程や博士課程の進展ぶりは,過去5年間の数をみても,目を見はる思いである3).
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