連載 助産婦職能の変遷を探る・5
保助看法はどのように受けとめられたか[1]
大林 道子
1
1東京女子大学短期大学部
pp.444-449
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206652
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前号で,保健婦助産婦看護婦法の成立過程と,この法に基づく新制度と旧制度との比較を試みた。その段階で,私はまだ,今号に紹介する安藤画一氏ほかの座談会の記事に出会っていなかったのだが,独自に,新制度が教育年限の延長や国家試験の採用により,保助看職の資質を高めたことは事実だが,業務範囲などの権限においては,旧態依然としたものであり,決して一般に言われているように変革的な内容ではないと,結論したのであった。図らずも,安藤氏は,保助看法公布のすぐあとに,この点を指摘している。
それはさておき,前号に述べた私の結論は,おそらく,この法の成立にかかわった当事者が受けた反対や,公布後,看護職に与えた影響や衝撃を直接知る方々にとっては,あまりにも簡単に片づけた現実を見ないものと,厳しく批判されることだろう。
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