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小児療育が私の理学療法の出発点でした.今は幼少時から長年かかわって成人期を迎えた脳性マヒの方々が私のクライアントであり,これらの方々とは現在,重度身体障害者施設や福祉領域でかかわっています.クライアント自身の生きがいとご家族の生きがいとを共生させることが私の課題です.家族も含めた障害者の生きがいを達成するための理学療法を行うには,障害の程度を勘案し,生活容態を含めた取り組みが必須となります.ですから,今でもクライアントをはじめ多くの人々から学ぶ日々が続いています.私にとって理学療法とは,障害を持って暮らしている人々との一生を通じたかかわりを,如何に展開していくかを追及することにあります.
福祉施設は現在,大きく変貌しつつあります.リハビリテーション(以下,リハ)医療は,急性期リハ・回復期リハ・維持期リハ・ターミナルリハと時間的推移に基づいた取り組みに変貌しつつあり,急性期を過ぎたクライアントもリハ・理学療法を求めるようになってきています.だからこそ,福祉施設においても理学療法士の需要は拡大しつつあり,理学療法士の専従が不可欠となってきているのです.このようななか,福祉介護領域で私たち理学療法士は次のような6つの指針を持って臨むことがたいせつです.それは“plan-do-check-action”,“human care”,“never give up rehabilitation”,“team work approach”“problem solver”,“symbiosis”です.この6つの指針を福祉領域における理学療法の役割として,地域における療護施設研修会等で提言し,共通理解をもって取り組むことの重要性を呼びかけているところです.
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