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‘生と死のゼミナール’実践報告
田中 道子
1
,
前田 明子
2
,
富居 陽子
2
,
菅原 邦子
2
1聖母女子短期大学
2天使女子短期大学衛生看護学科
pp.683-688
発行日 1984年11月25日
Published Date 1984/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908021
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はじめに
今日,死に至る病とされている癌は,昭和56年死亡率の第1位を占めた.また核家族の増加と医療技術の発展は,病院死時代(昭和57年の人口動態統計1)によれば,施設内死亡が59.8%,うち病院での死亡が55%を占め,10年間で20%以上の増加である)を迎えるに至らしめた.また,現在では死は考えたくないもの,認めたくないものであり,不安・恐怖の的である.それゆえ人々は,この苦しみを少しでも軽くし,支えてくれる存在を求めている.このような状況の中で,死にゆく人にどう対応できるのか,看護者に求められている期待はますます大きくなっている.
遠矢の看護学生の死に対する意識調査2)によれば,‘死に関しては関心が強くまた感情的に抵抗が強いことがわかり,概念としては生と死を考える機会になるが,未知の存在として実感に乏しく,感情的な恐ろしい,いやななどの反応が多く,態度としては避けたいが援助しなければならない,などの表現が多くみられた’とある.
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