続・教育人間学の探求・8
ある若き教師の死を悼む
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.502-506
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907857
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本来ならば,今月号は‘教育学の人間理解・その5’を掲載するところである.しかし,本連載の1,2月号(1983年)にも登場している青年教師・会津賢一氏が5月末に急逝されたのを追悼する意味で,連載のほうは休ませていただき,この小文をもって代えることをお許しいただきたいと思う.
教育界を1つの戦場にたとえるならば,正に会津氏は,そこにおける戦死者にほかならないと私には思える.真摯で誠実な人柄.むしろ,それは融通が利かないとさえみえるほどの真面目な人柄であった.教職に就いて以来の生徒との取り組み,授業における奮闘,もう少し安易にものごとを考える人ならば,あんなに悩まなかっただろうに,とその当時も今も私は思っている.
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