続・教育人間学の探求・5
教育学の人間理解—[その2] “エミール”を読む
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.310-314
発行日 1983年5月25日
Published Date 1983/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907826
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
古典との出会い
この連載の執筆のために,学生時代以来,久し振りに“エミール”を再読した.折しも受験シーズンたけなわのころとて,連日,新聞には学習塾や予備校の宣伝・広告が折り込まれている.今はありふれた現象になってしまったようだが,○○中学あるいは○○高校に合格した通塾生の固有名詞が広告にズラリと印刷されている.
いわゆる非行問題や,公立中学校における英語の時間数削減などの影響もあってか,とくに国立・私立中学の入試は極めて厳しいものになっている.早い時期から,特別の猛訓練を経て,そのうちの何割かが,このように折り込み広告に氏名を躍(おど)らされる‘栄誉’を担うのである.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.