続・教育人間学の探求・3
私の教育実践—私の生徒理解
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.182-186
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907807
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私の生徒理解(1)
本誌の1月号,2月号において,生徒の立場から教師としての私をどう見ているかについての座談会を掲載した.座談会の出席者たちには,なるべく私の教師としての課題や欠点にも話が及ぶように依頼してあった.これは,自己をさらけ出す形で,私における‘教師-生徒関係’を明らかにしたいからであった.同時に,連載が2年目にはいるところから,生徒の表現を借りて,執筆者の生徒理解,教育実践の態度を明らかにしておきたいということでもあった.
私が生徒と接するに際し,基本のところにあるのは,教師と生徒は人間として対等であって,決して人間としての上下関係はない,というところにあった.それは決して,対等であるふりをすることではない.実感として,何よりも事実の問題として対等なのである.これは私が教育学を志すよりはるか以前に,私の中において固まっていたものであった.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.