21世紀の看護を考えるルポルタージュ ホスピスへの遠い道—マザー・メアリー・エイケンヘッドの生涯・2
人権運動としてのホスピス[その2]
岡村 昭彦
pp.294-302
発行日 1983年5月25日
Published Date 1983/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907823
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セント・エリザベス病院の創立者—Dorothea Lynde Dixにあてた森有礼の手紙
19世紀に生きた女性の中では,ナイチンゲールやエリザベス・フライは,日本の看護婦たちにもよく名前が知られているようだが,セント・エリザベス病院の創立者であるミス・ドロシア・リンド・ディックスの名を知る人は少ない.彼女についてはみすず書房発行の“医学的心理学史”(ジルボーグ著・神谷美恵子訳)の277,297,312ページに紹介されているので一部を引用しておこう.
……南北戦争の最中,又その後の北米合衆国におけるドロシア・リンド・ディックスの仕事は,精神病者の養護に関する歴史上もっとも英雄的な,もっとも有能かつ有益な革命の1つとしてぬきんでている.それを行なったのはただ1人の人間,すなわち一女性で,隠退した学校教師であったが,この人の名は最初なんらの権威をも帯びず,その勢力も皆無であった.
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