21世紀の看護を考えるルポルタージュ ホスピスへの遠い道—マザー・メアリー・エイケンヘッドの生涯・16
リヨンの市民ホスピスの案内を読む
岡村 昭彦
pp.40-47
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908059
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アメリカの医学が日本に取り入れられたとき
ベルギーから日本に帰りついて3日後のことであった.諏訪日赤のゼミを終わると,私は東京に舞い戻って講談社の編集部に寄り,年来の本の原稿が遅れていることをわびたあと,久しぶりに神田の古本屋街に足を向けた.数軒も回ると,私の両腕には重い本の包みが抱えられていた.
信山社に立ち寄り,1時間ほど新刊書を見ると,私は高山書店ビルの7階にある医学書専門の‘いざわ書林’に上がっていった,‘いざわ’は高山書店の医学書部門が独立した店で,ほかの幾つかの古本屋とともに,私の骨肉を創るのに役立つ本を供給し続けてくれた友であった.その日も店の右隅の高い棚に1冊の黒い本があって,2000円でそれを買った.
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