21世紀の看護を考えるルポルタージュ ホスピスへの遠い道—マザー・メアリー・エイケンヘッドの生涯・1
人権運動としてのホスピス[その1]
岡村 昭彦
pp.228-236
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907813
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連載を始めるにあたって
生命の操作が可能となった新しい人類の歴史の1ページを迎え,1970年代から急速に世界各国に広がり始めたホスピス運動を‘人権運動としてのホスピス’としてとらえ,1980年にロンドンのセント・クリストファー・ホスピスで開かれた世界で最初のホスピス会議(バー・ミツバ会議)で報告したのは,アメリカ代表のシスター・ジータ・マリー・コッターであった.この記録は,翌1981年にシシリー・サンダース女史たちの手で編集され出版されたバー・ミツバ会議の報告集,“Hospice:the living idea”という反省の書の165-168ページに,‘アメリカ合衆国:今後の10年間’というタイトルで集録されている.
コッターは,この中で‘人権運動としてのホスピス’を真正面から取り上げ,現在のアメリカの病院,ホスピス,診療所,私立の療養所,リハビリテーション・センター,そのほか病人または障害者のケアにあたっている施設で,正式の通知書や,壁にはられているパンフレットとしてだれもが目にすることのできる‘患者の権利宣言’をまず紹介している.
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