21世紀の看護を考えるルポルタージュ ホスピスへの遠い道—マザー・メアリー・エイケンヘッドの生涯・18
1884年につくられたオーストラリアのホスピス
岡村 昭彦
pp.180-187
発行日 1985年3月25日
Published Date 1985/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908080
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再び原点のアイルランドに戻って
9月から新学期が始まるヨーロッパの学校は,6月の初めには早くも長い夏休みに入ろうとしていた.この3か月は,私にとっても子供たちと過ごす大切な時間であった.
私はフランスで手に入れたHotel=Dieuの資料を浜名湖畔の書庫に入れると,月例の諏訪日赤のゼミをすませ,再びアエロフロート機に乗ってロンドン経由でアイルランドに向かった.アボカの谷間は緑に埋まっていた.私は3階の書斎で小鳥のさえずりを聞きながら,この1年間に集めたマザー・エイケンヘッドの資料を整理し,この連載の最後の目的地である,オーストラリアのシドニーにあるセント・ビンセント病院についてのカード作りを始めた.
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