小特集 学生とのかかわりからみた臨床実習
実習開始時の学生の患者とのコミュニケーション手段と形
阿神田 節子
1
1帝京高等看護学院
pp.86-88
発行日 1983年2月25日
Published Date 1983/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907785
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はじめに
コミュニケーションの手段として,一般的には言語的コミュニケーション,非言語的コミュニケーションといった分類がとられてきた.この分類は,確かに私たちの使用している手段をほぼ包含するが,実際に看護する場面においての患者とのかかわり方を考えると,看護者のコミュニケーション手段としてはあまりにも一般的すぎる.従ってコミュニケーションの授業を担当した私自身,臨床実習で学生がコミュニケーション手段の確認体験をしないことに焦りはあっても,どう調整をすればよいのかわからず,経験上から患者に学生を紹介し,あいさつをする程度で終わっていた.
しかし,コミュニケーションの問題は看護が対人関係であり,ヒューマン・サービスであることから,決しておざなりにはできない.とすれば,与えられている臨床実習現場の中から1歩ずつでもコミュニケーションの問題へかかわっていくことが,現場教師には必要かもしれないと考えた.そこでまず,実習開始時の学生たちは,初対面の患者にどのようなコミュニケーションの手段を用いてコミュニケートしているのかを調べてみた.
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