小特集 学生とのかかわりからみた臨床実習
学生に気づかされたこと—精神科実習における保護室の考え方
和田 かつゑ
1
1広島県立淡路看護専門学校
pp.82-85
発行日 1983年2月25日
Published Date 1983/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907784
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はじめに
本校における精神科の実習病棟は現在,開放治療が導入されている,加藤氏は,‘開放された病棟とは,おそらくこれまで看護者の心を幾重にもとり囲んできた何ものかからの解放であり,この解放感を体験として共有することで出発できるのではないだろうか’1)と述べている.
さて,精神科病棟の特徴といえば,必ず鉄格子が浮かんでくる.これを更に一歩考えれば,精神科病棟の保護室の存在についても忘れてはならない.保護室とは,‘患者を一時的に保護するために用いられる個室.……保護室という隔離され,閉ざされた環境が患者に与える影響を考えて,必要最少限に,有効に用いることが必要となろう’2)と述べられている.“広辞苑”によると,保護とは‘気をつけてかばうこと’と書かれている.
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