私の発言
人間は何によって変わっていくか—自己学習会を通して実感したこと
山中 恵美子
1
1愛知学院大学歯学部付属病院
pp.797-800
発行日 1981年12月25日
Published Date 1981/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907620
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看護者の傲慢さへの気づき
高度化する医療社会は,より迅速に,より正確に,安全な医療を提供するという旗印のもとに,ME機器を導入してそのデータに基づいて診断・治療が進められている.そして,そこでの患者は‘モノ’化される傾向にある.ところが,患者は身体的なものより,むしろ複雑化する社会に精神的に対応できず,心の病を抱えたまま,現在の医療から置き去りにされている.その心の癒しを担ってあえいでいるのが,看護者の現状といえるのではないかと思う.
看護は,対象の求めている欲求にこたえるように展開することが必要であるから,人間の欲求の変化が看護の方向性を変えていくことは,言うまでもないことである.従って看護者が,1つの決められたパターンで相手とかかわることは,人間を無視していることになる.
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