論壇
現在の実感
宮地 隆興
1
1山口大病院中検部
pp.998-999
発行日 1973年9月15日
Published Date 1973/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908213
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現在の臨床検査は,日とともにその種類や設備がマンモス化してきた.最初は,個々の検査について測定法の確立をめざして努力とくふうがつみかさねられていたものが,しだいと機械化され,自動化され,検査室は1台何百万円から何億円という自動機械を並べ,しかも次々と便利と能率化という美徳(?)の名のもとにこの種の機械を押しつけられている状態である.検査の機械化,自動化は経済的な負担の増大のみならず,検査量の氾濫とともに,検査に対する意識も機械的になり,本来の使命をその中に埋没させる危惧を感ずる.私達はこのような現状を批判的に受けとめ臨床検査の本質をみつめ,本来の姿に沿って検査のありかたを考え,日常の検査の取捨選択の基礎を明らかにしておく必要がある.
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