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小児看護実習の実践記録—看護過程記録を軸としての展開を行って[4]
新田 麗子
1
1東京都立松沢看護専門学校
pp.237-250
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907537
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III.看護過程記録をもとに実習指導を行った結果
2)看護過程展開例
表1に示す事例は,学生・田子氏の3年次の看護過程展開の記録で,これまでに述べた一連の実習記録の1例である.この事例は,情報整理・看護計画をもとに看護援助を行い,コミュニケーション過程記録を用い,受け持ち児に合った援助へと取り組んでいったものである.しかも,受け持ち児を通して学んでいった過程,特に計画→実施(実施内容)が分かり,児のみでなく,学生にも変化のみられた例として,次に紹介する.
本人も評価しているように,実施の段階で実習終了前日くらいまでは,自分の意図・目的が優先し〔例えば,受け持ち児が‘あかちゃんのあのオモチャ貸して!……’と言ったのに対して,‘あかちゃんのオモチャをとりあげるのはよくない……これをわからせたい’と思っている(表1-c)〕,これが児の理解に通じず,違和感として残っていたようである〔‘黙ってしまって……の反応に対して児の気持ちが分からなくなり……この場面がしっくりせず,もの足りなかった’(表1-cのその1参照)〕.
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