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看護実習室の現状と問題点について
長浦 レイコ
1
1新潟大学医療技術短期大学部看護学科
pp.157-162
発行日 1981年3月25日
Published Date 1981/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907528
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はじめに
教育機関においては,教育の管理,教職員の人事,施設・物件,事務の管理などに関することの適切な計画と運営が,学校経営の成果を左右するといわれる1).看護教育においては,このうち施設・物件に関することについて,一般的にあまり重視されない傾向にあった.これは従来の看護教育がその歴史上,医療機関に付属する養成機関として発達してきたため,母体病院の考え方や経営上の問題に左右されやすかったこと,さらに実習は見習いを主とする臨床実習に重きがおかれ,学内での実習は最小限にとどめようとする傾向があったことなどによると考えられる.
本短期大学部は,新潟大学の統合移転計画に基づき,医学部構内から隣接の他学部校舎に移転することとなった.これに伴い昭和54年来,学部内3学科などで校舎所要面積などにつき改めて検討する機会を得た.この過程において看護学実習室(以下‘実習室’と略す)が,なぜ広い面積と複数の室を必要とするかについて相当の論議があり,これに関する規定,および設置主体別に一部の学校について現状を調べ検討した.看護教育機関の整備や短大化などが今後も進められる状況にあることから,この検討内容のうら,実習室の意義,所要面積などについて,主として短期大学を中心に若干の考察を加えまとめてみた.
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