特集 臨床教育
臨床実習の現状と問題点
富岡 詔子
1
1国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院作業療法学部
pp.19-28
発行日 1972年2月9日
Published Date 1972/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104179
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はじめに
そろそろ2年目を迎えようとしている‘リハビリテーション学院での紛争’を契期にOT教育とは何かが問われ,一見落ちついているかに見える現状でもいくつかの問題は常にくすぶり続けている.特に大きな位置を占める臨床実習については学院関係の臨床実習指導者,学生,学院の3者が別々にあるいは合同で何回か話し合いがもたれてきた.そのたびに‘ちっとも前進していないのではないか’‘いささか後ろ向きの堂々めぐりをしているのではないか’といったあせり,いらだち,あるいはあきらめに似た気持を関係者の人すべてが多かれ少なかれ経験されたことと思う.
今回は‘実習のうちあわせ会’‘実習反省会’‘実習報告会’などを通じて出された指導者や学生の発言を中心に,臨床実習をとりまく現状はどうなっているか,問題はどこにありそうかの考察を試みた.
なお,リハビリテーション学院では臨床実習をⅠ,Ⅱ,Ⅲに分けている(資料1)が今回はどちらかというと臨床実習Ⅲ(インターン)に焦点をあててみた.この考察の本来の目的は,臨床実習全体の今後を考えていくうえでの現状をつかむことに主眼をおき,学院の見解やある解決策を示すためのものではないことをお断わりしておく.
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