看護学校経営・8
実習の指導組織—その現状と問題点
真野 宮雄
1
1東京教育大学
pp.544-550
発行日 1973年8月25日
Published Date 1973/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906701
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さきに,看護教育制度に関する拙稿(“看護教育”第14巻—第2号)において,職業教育制度の性格が,‘教育’の意味のとらえ方によって,およそ2分されることを指摘した.すなわち,‘教育—被教育者に対する働きかけ’については,1)一定の思想や行動のパターンにはめこもうとし,なるべく被教育者に自主的な思考や判断をさせないようにするもの,2)被教育者に自主的な思考力や判断力を高めようとするもの,という2つのとらえ方がある.
1)による場合には,もっぱら他律的作用が中心となり,宣伝・訓練・しつけ等といわれる形態に陥るが,2)による場合には,できるだけ被教育者の自律的作用を促すことによって,本来の教育を目ざすものとなる.したがって,広義の職業教育の場は,1)のような実務的・技能的訓練を行なう職業訓練所あるいは養成所と,2)のような教育作用を中心とする本来の教育を行なう学校とに分けられることを述べたのである.
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