小特集 看護婦の成長を支える臨床/職場における教育・管理
<実践記録Ⅱ>
私にとっての卒後教育
仕事と育児の隘路(あいろ)を超えて—未知に立ち向かう力の源泉
工藤 恵子
1
1市立札幌病院
pp.351-354
発行日 1980年6月25日
Published Date 1980/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907448
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はじめての職場で
職場に入ったころ
第1回新カリ卒業生として実践の場に出た私が初めて目にした患者は,そのほとんどが隔離状態にある小児感染症の患者でした.病室は乱雑に乱れ,患児たちはスリッパも履かず,面会のカウンターを越えんとばかりに母を追って泣いていました.
看護室に入ってみると,看護記録には入院当初の予診と<特変なし>の文字だけで,あとは白紙です.注射盤の掛布に素手で触れている看護婦もいました.隅の方には夜勤の看護婦が読んだと思われる雑誌が積まれていました.
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