——
看護学生のアルコール症に対する認識度に関する調査
谷 直介
1
,
福居 義久
1
,
葉賀 弘
1
1京都府立医科大学精神医学教室
pp.191-194
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907427
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
アルコール症に関する啓蒙活動が新聞,テレビ,出版物などによって広く行われていることは周知のことである.実際,一般医家を含めて看護者,各種療法上,技師などの医療従事者は,当然一般社会人よりもアルコール症に対する認識度は高いと考えられるが,しかしその程度が職種により,または勤務の場所により,どの程度の違いがあるかを追求することは極めて興味のもたれるところである.このような状況の中で,われわれは差し当たり,近い将来医療従事者となる看護学生が,アルコール症に関してどの程度の認識と意見をもっているかを手始めに調査してみることを試みた.
アルコール症であることを患者自身やその家族ならびに医師・看護者などが知っている場合は問題とならないが,例えば交通事故などで骨折し整形外科に入院した時や,胃潰瘍や肝機能障害で内科に入院した時などにアルコール離脱症状群を発症し,その時はじめてアルコールの身体依存ができあがっていることに気付かれることがある.この時,それがアルコール離脱症状群であると判断する知識が備わっていないと,応急の処置に困ると思われる.そこで,アルコール症に対する正しい認識が医療従事者に要求されるのである.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.