Japanese
English
特集 個を生かす教育への歩み
Ⅰ.看護教育の現在
看護教師に問われるもの—ヒューマニズムと行動主義のはざまで
The Nurse Educator: Humanist or Behaviorist?
SUSAN L. CARTER
1
,
石井 伸和
2
1インディアナ州立大学看護学部
2本誌編集部
pp.7-11
発行日 1980年1月25日
Published Date 1980/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907404
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
—普段,学生に‘患者はそれぞれの個性をもったひとりひとりの人’であると考えて患者に接しなければならない,と教えている当の教師が,同じ学生に対して,個々の学習者のために立てられた目標ではなく,集団を対象として立てられた目標を提示し,それを達成するように要求していることが非常に多くみられる—
今日,看護教育者は,ヒューマニズムと行動主義という,互いに相反する哲学思想の流派の争いの中に引き込まれているようである.そして,そのことは,教師の日常の教育活動の中に見てとることができる.例えば,次のようなことがある.ヒューマニズムの考え方は,臨床での実践の基礎となるものとして,一般にとりいれられていて,例えば‘患者は,自分のケアプランを作成するメンバーの一員となるべきである’というようなことが学生には教えられている.ところが同時に,その同じ教師によって,行動主義から導き出された教育方法も使われているのである.プログラム化された教育内容を学んで,規格化された行動日標を達成することを学生に期待するということは,その1例である.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.