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基礎的看護技術教育に関する試論(2)
氏家 幸子
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1大阪大学医療技術短期大学部看護学科
pp.693-700
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907155
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VI.‘基礎看護技術’の確立
(1)研究分野の確立
基礎的看護技術は,総論としての一分野をしめることには疑問があることを述べ,看護技術の基礎的・基本的な分野であることを説明してきた.すなわち,総論とは何か,看護技術とは何かを考え,その発展的方向をみると,実践部分として科学的な裏付けによる技術が要求される看護において,中途半端な存在は,中途半端な実践に終わってしまう危険におちいりやすい.
科学の発展は基礎的研究にあるといわれるが,看護技術についても同様で,その基礎的研究が少ないことは,表示された現象に左右されやすく,各看護技術の発展を阻害することにもなる.現状の看護技術は,経験的にみて適切である技能について検討されたり,対象者を観察して,そのニードに基づいた実践行為の追求や分析がなされつつあるが,基礎的看護技術にしても応用的看護技術にしても,基礎的な研究は十分でなく,体系づけも明確とはいえない.
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