特集 看護部長の課題
チーム・ナーシング検討のための試論
中西 睦子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.382-385
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
中規模以上の病院なら,たぶん看護体制は三交替制,チーム・ナーシング方式と考えても,現在,そう大きな狂いはないであろう.つまり,看護部のポリシーの最も大きな部分がすでに方程式化されているのが,現在の看護管理の大きな特徴であるともいえる.しかし,ひとつの方針なり体制なりが確立したように見えるとき,そこにはすでに内部的な変容や崩壊が始まっていると考えてみる必要のあることは,歴史の教訓に学ぶまでもなく,身近な日常に見聞するところである.
この稿の依頼を受けてから,たまたま何かの機会に,病棟でチーム・リーダーがどのように動いているかを,2,3の病院の看護婦たちに尋ねてみた.「どんなふうにって,別に……ただその日その日にどうしてもやらなければならない指示や処置なんかを皆に伝えることで精一杯……」「でも,看護上必要な指揮はとるんでしょ」と私.「そういうのはカンファレンスでもう皆が知っているはずだから.カンファレンスのノートもあるし……」とA病院の看護婦.「うちではリーダ」は順番だから,皆リーダーが大変だってわかっているし,適当に自主的にやってるみたい.リーダーの負担にならないように」とはB,C両病院の看護婦の話だった.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.