教育方法の再検討・2
個々の能力を伸ばすための教育方法
久保田 信之
1,2,3
1学習院女子短期大学
2学習院大学
3佼成高等看護学院
pp.85-91
発行日 1975年2月25日
Published Date 1975/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906857
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第1章 準備主義から見た教育方法
1.序
ここでもう一度‘教育方法について’が問われなければならなかった課題意識を検討してみよう.そうした場合,教師に代表される教育の主体(これも従来の分類概念からいうだけであって,今日でも正しいかは問題のあるところだが)の側から出されていることに気づく.‘学習をもっと能率よく効果的にするためにはどうしたらよいのか’という言葉を‘自分たち教師が意図した方向に導き,意図した効果をあげるのにはどうしたらよいのであろうか’という内容にかえて問題にしているのである.
今日,盛りだくさんな内容をもった教科書と,過密ダイヤなカリキュラムに追いまくられている学校教育は,その程度・段階とは関係なく,極限状況のなかにあるとみてよかろう.すなわち,小学校の低学年において漢字の習得は100を超え,九・九といわれる掛け算のもとは2年生で記憶するように要求されている.
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