連載 始めよう!PRIMARY NURSINGプライマリナーシングStep・4
“ナース個々が生き生きしている”ということ
野並 葉子
1
1兵庫県立看護大学
pp.70-73
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904450
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プライマリナーシングを導入する第一のねらいは,「患者からみて」よりよい看護が提供されていると思えることですが,それと同じくらい重要だと考えたのは「ナースの自律を促進し専門性を高める」「ナースの仕事への充実感を促進する」ことでした.病棟の現状は,入院日数の短縮,高度医療が行なわれている患者の増加,救急入院の増加などにより,その日1日を終えるのに力を使い果たすという,その日暮らしのような仕事になってしまっているのが現実です.ナースが自律し専門性を高めることは,結果的に患者さんへの看護に反映するわけですから,社会にこたえることにもつながるわけです.
婦長の立場でその病棟の看護をよくしたいと思えば,スタッフの数やキャリアの構成などは変更することができないわけですから,今いるナースを育てるしか道はありません.そう考えると婦長は,スタッフを育てることにエネルギーの半分以上を注ぐことが必要です.そこでプライマリナーシング体制における病棟の教育の目標を“自律したナースが生きいきと充実感をもって仕事ができる”ということに置いてみるとしましょう.
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