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看護教育へのひとつの視点
森 日出男
1
1名古屋保健衛生大学
pp.802-807
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906839
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看護教育の直面している問題
教育とは与える・与えられる,する・されるという他動的・意識的な場ではない.求める人たちの求道・求真の意志と思想の場であると考える.‘こころ’の自然的流入の場であり,‘わざ’の研鑚考究の場である.もし,教師により真善美なるものを求める姿勢がなく,技術の伝達に明けくれることがあれば,それは既に教育という名の場ではなく,従弟制度の職人養成の場となってしまおう.
教師には常により高く,より深く,より広い真理と方法を追求する真摯な求道者の姿勢こそが望まれる.教師のふくらみは学生の後輩のふくらみとなる.その大きなふくらみの中にこそ学生や後輩の求めるところがある.学生によって,あるいは後輩によって求められ,そのもつところのものがなくなってしまっては,教師の評価は薄れてしまおう.夢や希望をつみとってしまうことにもなりかねない.
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