巻頭インタビュー ケアする人々・5
―映画「看護覚え書」に寄せて②―「看護の視点」はただひとつ
石垣 靖子
1
1北海道医療大学看護福祉学部
pp.448
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101895
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今泉さんに出会って20年にもなるのですね。今も私にとって『看護覚え書』(以下、『覚え書』)は座右の書です。戸惑ったり迷ったりしたとき、いつもこの本を紐解いてきました。そうすると必ず、その問題を考えるためのヒントがあった。『覚え書』は、150年経ってなお、看護に限らない「人間が生きていくということ」の本質を突いていると感じます。
看護師として、看護管理者として、私が『覚え書』のなかで最も大切にしてきたことは、ナイチンゲールのいう「看護の視点」です。それは看護を行なうときに大事にする価値観、つまり、『覚え書』の副題にもある「何が看護で、何が看護ではないか」です。看護観は、それぞれの看護師が育むもので、看護師の数だけあるという考え方もありますが、私はそれは共通のものであると考えています。自らに問うべきは、「私の看護観は?」ではなく、「看護とは何をすることなのか?」だと思うのです。
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