焦点 モジュール型継続受持方式
モジュール型継続受持方式(松木式)の効果的運用のために
佐伯 明代子
1
1富山市立富山市民病院看護部
pp.358-369
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902212
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はじめに
理想とする看護のための環境づくりとしての看護方式に関心をもった発端は,私自身の看護を振り返る中での反省と,患者体験からの気づきである.長期にわたって取り組めるホットなテーマと感じたことから,研究テーマとしても温め続けてきた.1979年,小グループ制継続受持方式の考案に取り組みはじめ,1980年にはそれまでのチームナーシングから小グループ制継続受持方式の第1段階,第2段階へと変更し,さらに1986年には松木光子(大阪大学医学部保健学科教授)が考案したモジュール型継続受持方式を導入したことで,当初目指した看護のための環境づくりができ,その効果についてはすでに報告を終えた1).
種々の看護方式は,その時々の社会的な背景が影響し考案されてきた歴史があり,今この時も,どこかで誰かがこれらの社会を見越して,次の看護方式の考案に取り組んでいることと思う.つまり,いずれの看護方式も,その時々の社会に見合った看護の提供手段として考案されてきたという歴史的な側面から言えば,どの時代にも万能とはいえず,また完成されているとも言い難い.それゆえに,単純に良い悪いと評価し結論するには無理を感じる.
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