助産婦教育
助産婦学生実習記録について—受持継続症例記録の考案
藤沢 洋子
1
,
末原 紀美代
1
1大阪大学医学部附属助産婦学校
pp.326-332
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204714
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1.はじめに
助産婦は妊産婦のみでなく妊産婦を中心として広く母性の一生を通じ一貫した保健管理に,看護の立場よりアプローチするのが望ましい。母性の一生は狭義では卵巣機能が活動し始める思春期の初めからまったく停止する更年期の終わりまでをいうが,現在わが国の看護界では,便宜上また制度上も助産婦のそのほとんどが,妊産婦のみに働きかけるようになっている。少なくともこの助産婦が直接接することのできる妊娠・分娩・産褥・育児においては,有機的なつながりのある指導なり管理なりを行なうことを最低の原則としたいものである。
助産婦学校のカリキュラムも昭和46年より母子保健学という学問体系の確立を志向して改正され妊産婦をピークとし,その前後を含めた幅広い内容がもりこまれている。特に実習においては,断片的なものでなく妊娠中から分娩後1か月まで(新生児も含め),継続的にケースを追って実習するたてまえである。本校でもこのカリキュラムの精神に基づき,学生に妊娠中から産後1か月までを継続的に受持実習させている。
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