特集 技術者養成と看護教育
論稿 技術者養成のなかで占める実習の教育的意義
室田 倬
1
1能力開発工学センター
pp.17-22
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906226
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そのものに真に成り入りぬれば似せんと思う心なし
われわれ日本人が,鎌倉時代,南北朝時代,室町時代この方,世界でもまれにみる幽玄な象徴的な芸術である能楽をもったことは,幸いであったといわねばならない。そして,その精髄である「風姿花伝」が,かの世阿弥の手によって今日残こされていることは,またありがたいことである。
風姿花伝の一節を原文では,この小論中固苦しいから,拙い口語訳で記してみよう。『物まねの数々は,すべてを書きつくすことがむずかしい。けれども,物まねということは大切なことであるから,各種の物まねを心からうち込んで熱心に練習しなければならない。すべてのことは,何事によらず余すところなく完全に似せるのが,そのもの本来のすがたを表わすことである。』
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