特別掲載 岡山県立短期大学看護科における臨床指導の考察(第1報)
基礎看護実習について
藤原 宰江
,
阿部 信子
pp.57-67
発行日 1969年6月1日
Published Date 1969/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906193
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緒言
看護学校の学習課程の中で,臨床実習の占める時間比はきわめて尨大であり,その教育的意義はまことに重大である。昨年末改正された看護婦学校養成所指定規則では,実習時間は1710時間(38単位)と規定されており,旧来の週単位の規定に比較すれば飛躍的な進歩である。しかしながら1710時間という時間数は,旧規則に基づいて各看護学校が履習させてきた時間数との間に大差がなく,看護数育の中に「卒業してすぐ間に合う看護婦」という概念がきわめて根強いことを痛感する。とにかく看護教育の場にある者にとって,臨床実習をいかに効果あらしめるかは常に最大の関心事であるといわなければならない。
本学看護科は昭和37年高等看護学校として発足し,40年4月,すでに県立短期大学としてあった食物科・体育科に増設の形で昇格したものである。短大昇格とともに学科課程は大きく変わり,特に臨床実習においてはその時間数が大幅に削減された。かって2000時間余にわたって履習させていた実習を,一挙に21単位(945時間)に縮少した時点で,学生のlevelを低下させないために,どのような指導方法を用いるのが適切であるかの検討は,著者らの重大な課題であり,過去2か年にわたって観察調査を重ねてきたので,その結果を報告し,抽出された問題点について考察を試みた次第である。〔註・実習の1単位は45時間〕
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