NURSING EYE
基礎実習で学ぶ「環境」
磨家 敦子
1
1津山中央看護專門学校
pp.306-309
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900567
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音への誘い
一教材づくり前の感覚づくり
人間にとって完全な静寂が約束される場所は,地球上にどれくらい存在しているのであろうか.音は私たちの精神構造にどのような影響を及ぼし続けているだろうか.
秋のある土曜日の午後,教員数人で自然の中の音探索に出掛けた.同じ場所を一緒に歩いて自分の聞いた音と印象を記録する.その後,山頂で各自の記録について話し合った.同じ滝の音を様々にとらえ表現している.滝壺を出る水の次第に力を抜いていく音の様子を克明に記録した者.白く落ちた水が再び取り戻す水の色に心惹かれて,音の変化には全く気づかなかった者.風の音にいたっては同じ風を聞いたのかと思える位表現は異なっていた.虫の音,鳥の声にもそれぞれに面白い感覚の相違を発見した.
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