特集 大学における看護教育—高知女子大学衛生看護科
論稿 16年の歴史を顧みて
和井 兼尾
1
1高知女子大学衛生看護学科
pp.18-35
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906136
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はじめに
昨年来,私は高知女子大学衛生看護学科設立の経過にっき,何度か今昔物語的なことを書いて来たので,今回またこの問題をくり返すのかと思うと自分でもいささかうんざりさせられたのであるが,このたびだけはさけることはできないので思いきってこれまで書き得なかった多くの問題点を記述しようと意を決したものである。
なぜならば,10年あるいは15年ということは仕事においても,人生の中でも一つの転換期というか区切りのようなものをつけてみたい時期でもある。その意味において衛生看護学科も創設以来今年で16年,まもなく17年目の春を迎えようとする年令に達した。人間も誕生して16才といえば封建時代の武家の子弟は元服し,一人前の武士として一国一城の主ともなられた年令でもある。近代社会にあっても少年期を脱し青年期に踏み出す大切な発育段階であるといえよう。
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