特集 教務主任
論稿 教務主任・そのありかた
吉本 二郎
1
1東京教育大学
pp.6-11
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906031
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はじめに
ふとした機縁によって,私が看護教育に多少の関係を持つようになって,もうすでに何年かが経っていった。実際に看護婦養成に携わったとか,教育の一端を担ってきたとかの実感もないし,またそれほどの自負を持つわけではないが,いつの間にか看護教育制度に関心を寄せている自分に気付いている。
看護学院自体の経営については,そう深く詳細に知ってはいないが,私の専門領域の眼でとらえるかぎりで,普通教育の学校とは,かなり顕著な差異がみられるようである。もちろん,看護学院の目標は職業教育であり,しかもたいていは,病院付属の形態をとっていて,いわば企業内教育の形式に属しているのであるから,公教育の場合とは様子が異なるのがあたりまえだともいえる。たとえばカリキュラムの相違は,明瞭にあってしかるべきものなのである。しかし,教育の場とその運営などにおいては,普通教育も職業教育も,相当程度の近似性が認められてよいはずである。各種学校は学校教育類似の教育を行う機関とされていることに注意しよう。
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