教育技術ゼミ
教育機器としてのVTR(2)
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.42-43
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906091
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前号では,教育機器としてのVTRには,(1)テレビ放送教材の利用を容易にする。(2)視聴覚教材の自作が簡単になるという2つの特性があることを述べた。VTRのこういう特性は,従来も用いられていたテレビやスライドや映画などと並んで,視聴覚教育を一層利用しやすく,また効果的にするものである。しかし,VTRにはこのほかに教育上重要な技能的特性がある。それはテレビや映画の持っていない機能であり,教育機器としてのVTRに特有な特性なのである。
テレビ放送教材の録画利用や視聴覚教材の自作ということは,どちらも教材を記録しておいて必要な時にそれを再生するということであり,これはVTRを鑵詰カンヅメ的に利用することである。それに対して,ここで述べようとするVTRの重要な機能というのは,学生の学習活動を録画(録音も)して,即座に再生するという機能であり,それによって自分の学習活動を学生に視聴させることができるということである。その意味でこれは,VTRを鏡的に利用することといってよい。
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