教育技術ゼミ
教育機器としてのVTR(1)
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.62-63
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906080
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■活用が期待される教育機器
これまでもしばしば述べてきたように,今日では,教育の世界にいろいろな機械器具が用いられるようになっているし,この傾向は今後ますます強くなってゆくと思われる。ところで,現在商品として売り出されている教育機器のなかで,今後学校教育や企業内の教育で,その活用が期待されるものとしては,前号が述べたO・H・Pのほかに,コンセプト・フィルムプロジェクターとVTRをあげることができる。コンセプト・プロジェクターについては,筆者も前にこの欄で紹介したことがあるし,また,東邦大学医学部付属高等看護学校の中西睦子,藤田笑子両氏が,看護教育にこれを利用した研究を発表しておられるので,(註)ここではVTRとその教育的利用について述べてみよう。
VTR(Video Tape Recorder)は磁気録画装置ともいわれるが,テレビ放送または専用カメラを通して送られてくる映像と音声を,特殊の磁気テープに録画,録音して,さらにそれをテレビ画面として再生することのできる装置である。テープレコーダーが音声だけの録音,再生の装置であるのに対して,VTRはそれに映像が加わったものと考えればよい。録画のほかに録音もできるのだから,本当は磁気録画録音装置というべきなのだろうか,一般には磁気録画装置VTR,あるいはビデオ・テープなどといわれている。
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