特集 各種学校—医療関連領域
衛生検査技師学校・養成所の現状—その成立経過・教育課程と今日的課題
北村 清吉
1
1東京医科歯科大医学部付属衛生検査技師学校
pp.45-61
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906079
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1.はじめに
戦前,戦中の衛生検査,ことに臨床検査は医師が患者の臨床症状とあわせ考え,自ら諸検査を行い診断,治療を行ってきた。戦後,軍に奉職していた衛生兵のひとびとが関連職種として,ある人は旧軍隊の病院に転職し,医師の指導のもとに臨床検査を行い,また,保健所・衛生研究所などへ転職した方がたも公衆衛生検査に従事し,それぞれの分野で検査技術の開発と検査部門の拡張をはかりながら,これらの検査に従事するひとびとと連けいをとり,現在の日本衛生検査技師会の基礎を構成した。
養成所関係については昭和25年,東京文化短期大学家政科(いまの東京文化医学技術学校)に医学技術研究室が創設され,国立東京第一病院,東京大学医学部の援助を受けて今日にいたっているほか,北里研究所の北里衛生科学専門学院や熊本の化学及び血清療法研究所で技師養成が行われ,多くの優秀な人材を世に送り出し,臨床医学における検査技術者の重要性を認識せしめる原動力となった。
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