特集 昭和40年度看護教育研究会夏期講習会集録
シンポジウム
総合看護について
保健婦の立場から
氏家 幸子
1
1茨木保健所
pp.23-24
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905939
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総合看護をどう受けとっているかということ,それから現在までの保健婦の働き,問題点,こんごの考えかたの四つに分けてお話ししていきたいと思う。
まず第一に総合看護をどう受け取っているかということである。保健婦の間では,総合看護という用語は,一般用語としては使われていないので私の聞ける範囲でどう考えているかということを聞いてみたのである。それによると,総合保健婦事業や総合看護教育保健師法案の考えかたから来ている。ばく然としたイメージだけであった。これを少し掘り下げてみると二種類に大別できると思う。その一つは総合保健婦事業という考えかたからきているもので,対象を全人格としてその背後にあるすべての環境を考えて,看護関係者と他の専門家の協力によって一連の看護と保健指導をするというような,ケースを中心とした実際面である。あとの一つは総合看護教育やそれからまた保健師法案の問題などからきている制度的な考えかたである。そしてこの1種類のものは看護者の専門化と総合化という相反する問題を含んでいるように思うのである。
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